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隠れて甘いkissをして

第76章 ずっと2人で

隼人は私の手を握り締める。




「夢に向かって何かを頑張ってる。

誰にも負けない得意な事がある。


………確かにそれも大事だと思うよ。


だけど俺は、人生そんなに気負わなくてもいいと思うんだ。


誰かに恋をして、誰かを愛して、誰かに感謝して……


それだけでいい。


現実は、そんなシンプルな生き方をする方が難しいけど。


少なくとも、俺はそうでありたいと思ってる」




握られた手から、全身に暖かさが伝わってきた。


隼人の言葉は、音色のように私の心に響く。




「由宇が仕事を頑張ってるとか…


由宇が何かに優れてるからという理由だけで


俺は由宇を好きになったわけじゃないよ。


俺だけの為に、最高の笑顔を見せてくれる。


嬉し涙を流して、喜んでくれる。


幼少の頃……1番それを求めていた人から得られないまま生きてきて


誰と関わっても解くことができなかった、俺の心に巻きついていた鎖を


由宇が溶かすように、外してくれたんだよ」

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