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息もできない

第15章 謝って欲しいわけじゃ

すごく小さな声でそっと呟いた


「黒澤さんとは………何もない、んだよね……?」


クス、と笑ってしまった


「直可愛い。すごく可愛い」


話すために空けた身体の小さな距離さえ鬱陶しくて、その間を埋めるように抱き締めた


「逆に朗には怒られたよ。誕生日に何で俺なんかと飲みに来たんだ、って」


すると直は


「昨日……黒澤さんと会ってたの…?」


と少し離れて俯いてしまった

それは、俺が悪いけど
でも


「直だって、朗と仲良さそうだったろ。それで…むかついたんだ」


俺が正直に話すと直はきょとんとした


「もしかして春陽、嫉妬してたの?」

「直は俺を何だと思ってるわけ?知り合いな訳ないって思ってた恋人と幼馴染が仲良さそうにしてたら誰だって嫉妬する」

「仲良さそう?俺と黒澤さんが?」

「店の外で、2人で話してたじゃないか」

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