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息もできない

第17章 会社に行くのです

「…春陽の…」
「俺の?」
「……匂い、が…して…なんか安心して…気づいたら眠ってた……の」


顔を真っ赤しにして俯きながらぼそぼそ呟くように伝えてくる直が驚くほど可愛くて

俺は直と一緒に横になって直を抱き締めた


あー可愛い


と暫く頭を撫でたり背中を撫でたりしていると、直が俺に擦り寄って来て俺の胸元に顔を埋めた


「ぅんーーー…」


なに唸ってるんだ?


疑問に思って首の後ろを撫でて顔を上げさせる


「なにしてんの?」
「ん?へへー…」


一度上げられた顔はまた俺の身体に隠される
そしてそのままくぐもった声で


「こっちの、本物の春陽の方がやっぱりいいなって」


と言われた


「だめだよ、そんな可愛いこといっちゃ」


俺は直が俺の上に乗るように転がって腹の上に直を乗せる


「うへへー」


と変な声を出しながらもそもそ動いて俺をくすぐっていた直は暫く遊んだ後顔を近づけて来て


「はるひー」
「うん?」
「聞いて聞いて」


と今日会社であったことを俺に話した


みんな普通に接してくれた
新しいプロジェクトに参加する
コンビニのお弁当が美味しかった


他愛もないというか、小学生が親に伝えるような内容なんだけど嬉しそうに話す直が可愛くてずっと聞いていられた

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