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息もできない

第4章 気になります

「な…に…なんで…」

なんで引き止めるの
俺が嫌いなら、もうわかったから
ほっといてよっ

「話、聞きたい?」
「え?」

はなし…って

「…っこの後に及んでまだ話!?もう、わかったからっ俺が嫌いなら、もう…っ、ほっといてよっ」

店長さんの腕から逃れようともがくけど
たくましい腕からは全く逃れられず
むしろ余計に力を込められる

「ちょっ…くるしー」
「なぁ、なんで?なんで俺がお前のこと嫌いだと思ったの?」
「な、んで…って…」

そんなこと、俺に言わせるのか

口に出したら
そしたら、もっと周りから嫌われるような気がして怖くて言えなくなった
何も言えなくて黙っていると
大人しくなった俺の耳元に店長さんが口を寄せて小さな声で何かを囁いた

「ーーー…」
「え…?聞こえな…」

ちゃんと聞こうと意識を集中すると
こう言われた


「本当は、甘えん坊なんでしょ?その、甘えるはけ口は、俺じゃだめかな?」
「え…?」

それって、どういう意味?

何が言いたいのか意図が掴めず身体ごと振り返るとそのまま前から抱き締められ顔が見たくて振り返ったのに見ることができなくなった

「これ、遠回しの告白なんだけど。伝わった?」
「こく……はく…?」

なに、これ
なんで…?
胸、くるし
息できなー!?

「あ…」

なんか、もう
どうしたらいいのかわからない

そのまま俺の意識は店長さんの腕の暖かさを残して闇におちた

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