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息もできない

第5章 誰もいない朝

次に目が覚めた時目の前には見知らぬ天井が広がっていた

ここ…もしかして…

見回してみる

てんちょーさんのおうち?

…………………

っうわ!またかよ!?

がばっと起き上がった
けど

店長さんは……いない……

すると、先ほどまで俺が寝ていた枕元で電子音がした

なに…?

鳴っていたのは目覚まし時計だった
時刻は6時をさしている

あ…今日会社だ
これ、俺のためにかけておいてくれたの?

立ち上がってリビングに行くとテーブルの上に簡単な朝食とメモそれから家の鍵が置いてあった

『スーツはソファの上。鍵はエントランスのポストに入れておいてください』

スーツ…?
あ、クリーニングしてくれたのか

昨日人前なのにあんな泣いて
そのまま気失ってすげー迷惑かけたのに
なんでこんな、優しいんだろ

ていうか昨日のこと

「どー返事すればいいんだよー…」

どんなに俺が悩んでいても
時間は経つ

あっという間に会社に行く時間が近づいてきて
俺は考えをまとめることもできないまま出社した

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