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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

試しに脚をつねってみたけど


「痛い………」


じゃあ、現実?


そう理解した途端涙が滝のように溢れて来た
今まで我慢してた分、全部


「ぅ…っ、えぇ………はる、ひぃ…」


俺はそれまで下に垂らしていた腕を持ち上げて、春陽に強く抱き付いた

急に泣き出した俺に春陽は一瞬動揺したようで身体を離そうとしたけど俺がそんなの許さない

今は少しでも多い面積触れ合っていたい
溶けて一緒になることは叶わないから



俺が涙を我慢してたことも、俺の思いも、春陽は全部わかってくれたんだろう
その後すぐに強く抱き締めてくれた


「直………ごめん…ごめんな………」


そうやって耳元でひたすら謝る春陽に、俺は首を横に振って答えた


「前も…言ったと思うけど…俺は、謝って欲しいんじゃないよ、春陽」


そう言うと春陽は身体はなるべくくっつけたままで俺の顔をみた
それはそれは近い距離
鼻が触れ合っていて、今にもーー


今にも、キスされそうな程



その至近距離で春陽は俺に囁く



「直、愛してる。ずっと、永遠に。愛してる」
「…うん、俺もだよ春陽。ぁ……っ、愛してる…」



俺が涙で少し躓きながら答えると、春陽は心底嬉しそうに微笑んで

そして

俺に優しいキスをした

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