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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

俺は携帯電話に保存されているある画像を睨んでいた

それは、この前直に写真を撮らせてもらった名刺の画像
そしてその名刺には『黒澤 朗』と印字されている



連絡…してみようかな…
いや、でもな


名刺には朗が勤務しているワイン専門店の店名も書いてあって、せっかくの休日なんだから行ってみても良いんだが


「あーーーっくそ」


俺は頭を掻きむしった


俺らしくねえ!
俺らしくねえぞ!


直の時は変な虫が付かないようにあらゆる手を使って直に近づく男達を排除した

それに比べて次に好きになった朗にはアピールしに行く勇気さえ………


とここまで考えて俺は今度は机に頭をガツンと打ち付けた


違う!!
まだ好きだと決まったわけじゃない!!!

なんというか…確認に…そう、確認に行きたいんだ!


俺の、朗への気持ちがなんなのか


あの、一晩をともにした時に感じた感情は確かに愛おしさに近い気がした
だから


「くそ………もう一目、会いてえんだよ」


って俺は乙女か


自分で自分にツッコミを入れてみたものの、会いたい気持ちに嘘はなく、会うためには電話をするか店に行くかしか手段はない


よし…!行ってやろうじゃねえか!


俺は勢い良く立ち上がり、決心が揺らがないうちにさっさと家を出た

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