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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

あきら、と名前を呼びかけたその時


「ねぇねぇあなたかっこいいね。これから暇?」


と朗に声をかける人影が二つ


「きゃあっ!ちょ、ほんとにかっこいいじゃん!」
「ね、いいでしょ。いこ?」


そう言いながら朗の腕に自らのそれを絡めている影は女性で、明らかに自分に自信があるような露出の高い服を着て豊満な胸を朗に押し付けている


うわー逆ナンされてるよ
声掛けづれえ


挙げた手の行く場をなくしておずおずと手を下げた俺は歩みも止まりそうな程遅くなってしまった


もうこのまま帰ろうかな


俺は基本的に性関係にルーズな人間だから普段なら待ち合わせしてた知り合いがこんな美味しい状況になっていたらこのまま合流して四人で呑んで女性のうち1人はお持ち帰りしてると思う



今日はそういう気分じゃねんだよ
せっかく朗に誘われたのにーーーって

はぁ、またこんな女々しいことを


とにかくこの状況をどうにか対処しなければ
と考えるけどなかなか思いつかない


俺がこのまま普通に話しかけたんじゃ

『え、やだーこっちの彼もイケメンじゃ〜ん』
『うちらも二人だし四人で遊びに行こ?』

多少自信過剰に聞こえるかもしれないが、俺は他人よりは顔が整ってると思うし例え俺が凄まじくブサイクだったとしても台詞が違うだけで結果は変わらないだろう

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