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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

俺が声をかけるとどう立ち回っても朗の腕のリアル抱っこちゃん人形を一体譲り受ける形になる気がする


あー…くそ
一番良い方法なんてわかるだろ
お前がきっぱり断ることだぞ朗!


と、俺は考えつく


これ、良い機会じゃないか?
朗が俺のことどう思ってるのか

朗が俺のことある程度大事に思ってくれてたらきっぱり断るよな
でも、
大した相手に思われてなかったら俺の約束は置いといてあの人達の方に行っちゃうよな


さて、どう出るかな


俺は入り口の見える位置にちょうど設置してあったベンチに座る


なんか楽しいかも
こういう相手との駆け引きとか久し振り
っても、負けたら落ち込みまくるんだろうけど


座った膝に頬杖つきながら見守っていると、朗はにこりともせずに無表情で女性たちを対応してあっという間に二人を追い払うと辺りを見回して俺に気がついた


え、はや
俺の勝ち


近づいてきて頭を軽く叩かれた


痛くねえ、けど
手はえぇな



そんなこと考えてへらへら笑う


「なに笑ってんだよ。見てんなら助けろよ」
「なんで?女の対応なんて慣れてんだろ」
「そういう問題じゃねえよ馬鹿」


そしてまた軽く小突かれた

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