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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

低い声の主は朗で、当てがわれてた男の熱いモノをそれ以上押し込まれないように男の身体をぐ、と押している

男は困惑した様子で


「え?なんでーー」


と言っていたが朗はそれを完全に無視して俺の乱れていた衣服を直して腕の縄も解いた

そして手を引いて立たせると無言で歩き始める


「ちょ…待っ…」


俺たちを引き止める男の声が後ろから追いかけてきたけどそれを無視して朗はそのまま公園を後にした


そして駅まで俺を引きずって行き、改札の近くでようやく手を離した


「帰れ」
「は?なん…」
「いいから、帰れ」


なんだこいつ
突然帰れって…なんなんだよ


そう反論しようと思ったんだけど、朗の顔は怖いし声も相手を脅すようなドスの効いた声で
俺は萎縮してしまって反論する心の声を喉から放出しないまま飲み込み無言で改札をくぐった


電車の中でもひたすら考える

朗がなんで行為を途中でやめたのか


そもそも最初にあの男を入れてヤろうとしてたのは朗だ
それなのに俺が挿入れられそうになった途端に急に態度を変えて
あんな怖い顔して
無理にあの場を去った


なんで?
あいつに怒る権利とかあるわけ?
つかあいつなんで怒ってんの?
なんか無性に腹立ってきた

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