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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

急にむしゃくしゃしてきた俺はちょうど止まった、朗と分かれてから二つ目の駅で電車を降りた


携帯を取り出して今日交換した連絡先に電話をかける


呼び出し音がすぐに鳴ったけど、朗は出ない

暫くすると留守電に繋がったから一度切ってもう一度かける


イライラした気分が抜けなくてホームをうろうろと歩く


俺が三回掛け直した時、ようやく朗が電話に出た


『……』
「おい、お前さっきなんで怒ってたんだよ。俺があんな態度とられる理由なんてないよな」
『………』


電話が通じてからも俺が文句を並べてからも一度も言葉を発しない朗に電話を何度も掛け直した根気で待っていると


『わかんねぇよ』


とか細い声がした

その声に毒気を抜かれた俺はさっきとはうってかわって優しい声音で訪ねる


「わかんねえって…お前のことだろ。ちゃんと考えて。……俺だって、わかんねえよ」


すると


『何が?』
「ん?」
『圭太は何がわからない?なあ、お前がわからないことってなんだ?今、何考えてる?』


一気に捲し立てられて少し動揺する


「な、なんだ?急にどうした?」
『いいから。答えろよ。……教えて。お前のわからないこと。それを聞けば俺のわからないこともわかる気がするんだよ』


どういうことだ?

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