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息もできない

第6章 お試し…します

「ハルヒ」

「は…る、ひ…?」

「そう」

俺が名前を呼ぶと嬉しそうに微笑んで
俺の唇に自分のそれを重ねた
そしてまた額を合わせただけの状態に戻って

「…もういっかい、よんで?」
「ハルヒ、ん」

もう一度、と言われたからもう一度呼べば呼び終わるとほぼ同時にまた口を塞がれる
また顔が近づいてきたと思ったら唇が合わさる直前に

「もっと…」

と囁かれた

「は、るひ…………はるひ……」

言うたびに口付けられ
言ってる途中にも上唇や下唇を吸われたり啄ばまれたりした

「ハル…ーーっん、ちゅ…ふ」
「も、いいよ。こっちに集中して」

最後にはキスだけになり
合わせるだけのキスから啄ばむようになり、そして

舌…入って来たぁ

もうここがお店だとかそんなこと気にならなくてひたすらはるひのキスに応える
けど

俺………キス、これが初めて…だけど
言えない

はるひのキスは初めての俺でもわかるほど慣れている
相手をその気にさせるのも
舌の使い方も
優しく頭を撫でて耳をくすぐるその手も

こんなこと…どうってことないんだろうな…
特に何も思ってないんだろうな

俺は顔が近いのも恥ずかしいし
手もさっきからはるひの肩の服を握っているだけ

すこし

少しだけ

ファーストキス、とか
気にして欲しかった

でも俺男だし
この歳で初めてなんて恥ずかしいこと
なんだろうな



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