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息もできない

第6章 お試し…します

「………」

図星をつかれて黙っていると耳元でくすりと笑われた

「お試し、する?」
「おた、めし?」

聞き返すと少しだけ身体を離され顔を鼻が触れ合うほどに近づけられる

ち、近…

動揺している俺とは裏腹に店長さんは口元に笑みをたたえながら言う

「そ、お試し。これから一週間俺と試しに付き合ってみない?後悔はさせないから、さ」
「でも……」

そんなの、悪い
俺にばっかり都合が良い

「ん?いいんだよ。だから、さ?」

と推されれば
優しい言葉をかけてくれる人からの好意を断ることもできず
ゆっくりと小さく頷いていた

「!」

俺が頷いたことが嬉しいのか
店長さんがおれの首元に擦り寄ってきた

なんか…なんて言えばいいのかな
胸が、くすぐったい

「て、んちょ、さん…」
「名前で呼んで」

な、まえ?

「みうら、さん?…っ、ふ」

初めて会った時に教えてもらった名字を思い出して呼ぶと首に数箇所キスされた
頬にサラサラ当たる三浦さんの髪がくすぐったい

雰囲気に流されそー

この甘い雰囲気に酔いかけていると

「お試し期間だけど、恋人なんだから下の名前で呼んで」

コイビト

恥ずかしい話この性格のせいか今まで女の人に告白されても嫌われるのが怖かったり本当に好かれているのかわからなくて付き合うなんてこと出来なくて

恋人なんて響き、初めて

そんな思いに浸ってると
三浦さんはおれの首筋に埋めていた頭を離し

額と額を合わせてきた

「俺の名前教えてなかったっけ?」

恥ずかしすぎて目線が下へ移動して
三浦さんの口元で止まる

その形のいい唇で囁かれた

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