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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

でもここ人んちなんだよ
普通なら俺も朗の横で寝るんだろうけど一応許可取らないとだめだよな
いやでもーーー

あー…頭回んね
眠い


疲労感のたまった頭じゃ何にも考えられなくて今にも立ち寝しそうな状態で立っていると
布団からひょこ、と顔を出した朗がこっちを見つめながら


「何してんだよ。早く入れ」


と呼んでくれた


「良いんだ。一緒に寝ても」


前回自分で勝手にソファで寝ておきながら俺がそんなことを言うと朗はくす、と笑って俺の腕の中に入ってきた


「前ん時だって別に一緒に寝てても怒らなかったさ」
「だよな。俺だって怒らない」
「ん?どういう意味だ?」
「一晩だけの関係のやつが朝横で寝てても怒らないな、と」


寝ぼけた頭でそんなこと考えていると朗がいきなり俺の腹を力一杯抓った


「いっ!ててててててて!!!」
「………」
「痛い痛い痛い!!何すんだよ!?」


そこそこ鍛えていてあまり肉のないそこは脂肪を経由せず直に攻撃されているようで本当に痛い

俺が痛みに悶えている間も朗はすこぶる不機嫌な様子で黙っている


「なんで怒ってんだよ?痛いって…」


俺が弱りきった声で聞くと朗はようやく腹から手を離してくれた


痣になるかも

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