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息もできない

第23章 今度は俺?

「あ、りがと……う?」


俺がお礼を言うと仁くんは小さくため息をついて


「ほら、いいから寝ろ」


と促してきた


「あ……汗かいたから、着替えたい」


俺が言うと仁くんはすごく渋い顔をした
そして暫く黙った後


「……惚れたって言った相手に着替え手伝えとか言わねえよな?」
「!!」


そ、そうだった……!
俺もしかして今二人きりとかやばい、かな


今度は俺が暫く黙っていると仁くんが訝しげな目線を向けてきた


「まさか忘れてたなんてこと言わねえよな?」
「ち、ちがっ……ちょっとの間だけだから!」


仁くん達が来る前までは覚えてたもん……!!

って

「あ……」


墓穴………


俺が口を噤むと仁くんは軽く笑った


「ははっ……たく。着替えは自分で出来んだろ?」
「う、うん……」
「服どこ?この部屋?」
「ぁ……そこの引き出しの二段目」
「ここ?」
「そう、そこ」


人に部屋の中の物出したりしてもらうのはどうかと思ったけど、熱に浮かされた今じゃどうしようも出来ない

服は仁くんに任せて、スウェットの上下を取ってもらった

仁くんが部屋を出てくれている間に俺はささっと着替える


着替え終わると仁くんはまた部屋に入ってきて眠れるまで話し相手になってやる、と言ってくれたから他愛もないことをぽつりぽつりと話していた

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