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息もできない

第23章 今度は俺?

お粥作って薬飲ませて直を寝かせると、必然的にリビングには俺と福山の二人きり

と言ってもお互いに沈黙をなんとも思わないタイプのようで特に世間話をするでもなく愛想笑いをするでもなく、俺は食器類の後片付けをして福山は現代っ子らしく携帯をいじっている


食器の片付けが終わったら直が起きた時に飲むかもしれない、と水道水を常温にするために汲んで置いておく


よし、まぁこんなもんだろ


時計を見ると夕方と言うには遅い時間で


三浦さんさっきまで仕事してたからなぁ
直が風邪引いてるんだし、早く帰ってきても良さそうなのに


そんなことを考えていると、それまで黙っていた福山が突然俺に話し掛けてきた


「あの」


遠慮してんのかわからないけど話し出す時は「あの」からだなーなんてことを面白く思いながら「なんだ?」と返すと


「あー……えと、名前」


と口ごもるから「中野圭太」と名のる


「中野さんと谷口さんとの関係は?」
「あぁ、幼馴染だ」


俺が答えると少し考えてから伺うように


「恋愛感情は?」


と聞いてきた


遠慮もくそもねえな


俺は「ない」と答えようかと思ったけど面白いから


「ある」


と答えてみた

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