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息もできない

第23章 今度は俺?

春陽目線



俺が昔犯した過ちから直には気持ちを抑えている、なんて
そんなことはないと思っていた


だってそうだろ?


こんなに愛して、愛されて
これ以上ないって思っていたんだ




福山仁、と名乗った少年は突然俺たちの前に現れた

視界に入っただけで心が波立つような感じ


毎朝毎晩
直にくっついて歩くあいつを見ているとなんだか苛々して

直が寝ている間にチェックして、携帯に来るメールが毎日増えていくのがわかると余計に腹を立てた


メールの内容は別にストーキングをほのめかすようなものでは全くなかったし、俺がただ一人焦っているようだった


直に愛されているってわかっているはずなのにこんなに余裕がないのは何故なんだろう



わからなくなって

朝、直に何も告げずに家を出た



そして、朗に呼び出されて

殴られた



じん、と染みるように痛む頬に手を当てると刺すような痛みに変わる



思い出せば俺、直にずっと謝ってるな


一回目は俺の誕生日の時
二回目は大崎さんと浮気したって勘違いさせて
三回目は俺から別れを切り出したのに直に助けてもらって


いつも俺が直を傷つけて、泣かせてた

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