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息もできない

第23章 今度は俺?

暫くそうして頭を撫でているとふ、と直が目を開いた


「直?」


俺が呼びかけると数回瞬きをしながら


「はるひ?」


と小さく呟いた

その声があまりにも掠れていて、俺は持ってたスポーツドリンクにストローをさして直の口元に差し出した


「喉痛い?ほら、飲んで」


そう言うとまだ意識がふわふわしているのか、ゆったりとした動きで首を動かし少しずつ飲み物を飲んだ

はぁ、とストローを口から離した時に口元についたスポーツドリンクをタオルで拭いてあげていると、ようやく意識がはっきりしたのか直が不思議そうに尋ねてきた


「俺そんなに長く寝てた?」
「そんなことないんじゃないかな。まだいつもよるごはん食べるより前の時間だよ」
「あ、れ……?春陽遅くなるんじゃなかったの?」


直は特に深い意味で言ったわけではないだろうが、その言葉に自分を責めるような意味が含まれている気がして俺は胸がつまる思いがした


「……朗と飲みに行くつもりだったんだけど、キャンセルになっちゃった」


俺がそう言うと直は少し考えてから


「……俺のせい?」


と小さくなった

俺は慌てて否定する


「違うよ、直。……俺が悪いんだ」

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