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息もできない

第23章 今度は俺?

直の目は腫れていて、涙を流したことがわかる

強く抱きしめれば着ている服はしっとりと湿っていて直の熱がどれほど高かったのかが伝わった


こんなに悲しんで、苦しんで
それでも直は俺を許してくれるんだ


申し訳なさと、それを上回る愛しさが俺の胸を満たした


「…….直、好き」
「俺もだよ、春陽」



熱が下がったら、話したいことがあるんだ
だから、今は



「風邪、早く良くなるといいね」
「ありがとう」


ふにゃ、と直は頬を緩ませる
その顔が可愛くて触れるだけのキスをした


「ん……だめだよ、春陽」
「なんで?」


そう言いながらもう一度優しく口付ける


「ん、だって……風邪うつっちゃうかもしれないし……」


そう言いながらも直は決して顔をそらさない


でも、やめて欲しくはないんでしょ?


そのいじらしさが愛しくて愛しくて
俺はまだキスをやめない


流石に舌入れたら怒られるかな
でも、入れたい


そう思いながら唇を舐めて甘噛みすると、抗議の言葉よりも甘い声が漏れて聞こえて来て
病人だってわかってても興奮した


「ふ、ん……ぁ……」
「可愛い、直」


こういう甘い雰囲気ちょっと久しぶりだな

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