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息もできない

第24章 過去と現在

長い間解決への一歩を踏み出すことさえしなかったけれど、踏み出してみれば二歩目三歩目は簡単に出て

思い悩むことなんてない、と笑う元恋人がとても眩しく見えた

今までは、目を当てることさえ出来ないと思っていたはずなのにな


千尋は「それなら大丈夫ね」と笑った


「それにしてもハル、急に尋ねて来るなんてどういう心境の変化?新しい恋人からの影響?」


悪戯っ子のような無邪気な顔をして千尋は俺を問い詰めて来る

隠す必要もないから、俺は正直に答えた


「そう。新しい恋人の影響。解決しなきゃいけないなって思ったんだ。そいつのおかげで」


俺が千尋に気づかれないようにこっそりと直に目を向けると、直は何故か俯いていて顔を見ることは出来なかった


直?
どうしたんだろ

退屈だったかな
連れて来たの失敗か?

でも、聞いてて欲しかったから


俺が心の中で心配していると千尋が顔を赤くして言った


「私もね、今の恋人に影響されて、前向きに考えられるようになったの」
「……そうか」


良かった
千尋が1人じゃなくて
そうやってちゃんと支えてくれる人がいるなら問題ないな


俺は胸を撫で下ろした

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