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息もできない

第24章 過去と現在

直目線


春陽に抱きしめられながら、俺はそっと胸を撫で下ろしていた


良かった
春陽が離れて行っちゃうかと思った


春陽が涙を流しながら心の内を告げた時、正直俺は焦ってた

俺がこんなに春陽を不安にさせてたのかなって
俺は、側にいるべきじゃないのかなって

でもそんなものは杞憂だった
好き過ぎてうまく束縛出来ないなんて、最高でしょ?


監禁とかって普通に考えて健全じゃない
だから春陽は普通とは言えない

そんなことはわかってる
だけどそれを望んでしまうなんて、大概俺も狂ってる


でもそれでもいいよ

それでも、春陽の横にいたいんだよ
誰にも渡さないから


焦りの後はただただ溢れる喜びと幸福感が俺を満たした


この気持ちをどうやって伝えよう

でもとりあえず


「春陽」
「ん?」
「お風呂入ろ。せっかくこんなに素敵なお部屋で、泣いてるだけなんて勿体無いよ。顔も洗いたいし」


俺がそう言うと春陽は「そういえばそうだね」と優しく笑った

そして俺の目元にキスをしてくる


「ん……甘い」
「しょっぱいじゃなくて?」
「甘いよ。直はどこも」


そして春陽は俺を抱き上げた


「わ!?」
「暴れないでね、落ちちゃうから」

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