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息もできない

第24章 過去と現在

豪華な懐石料理に舌鼓を打ちながらゆっくりと二人で過ごす


あぁ、幸せ


「ねぇ春陽これ美味しいよ」
「どれ?」
「これ。お刺身の横のやつ」
「これか。ーーほんとだ、美味しい」
「でしょ?」


俺がにこにこしながらご飯を食べていると春陽が俺のことをじっと見つめてきた


「なに?」
「今回は仕方なかったけど、やっぱりだめだな」


だめ?


「何が?」
「直が俺が作ったんじゃないご飯を食べるのが」
「!……ふふ」
「何笑ってんの」
「や、可愛いなぁって」
「そんなこと言うの直くらいだよ」


春陽は嬉しそうな呆れ笑いをする
でも本当に嬉しいんだもん

頭おかしくなりそう


「いつか春陽は野菜とかも自分で育てるようになりそうだね?」


冗談半分でそう言うと春陽は真剣な顔つきになった


「それもいいかもしれないな……」
「え!?カフェ業務との両立は大変だからやめてぇ」


俺が言うと春陽は「まぁ今は無理だよな」と笑った



「あー美味しかった。ご馳走様」


お腹いっぱい、と俺が座椅子の背もたれに寄り掛かりながら言うと俺と同じくらいの時間に食べ終わった春陽がフロントに電話した
料理を下げてもらうみたい

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