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息もできない

第25章 息もできない

一人で携帯を見てにやにやしていると、また新しいメールの機能を見つけた


メールを開ける日時の指定が出来る?
なにそれ?


説明を読んでみると、送ったメールを指定した日にちの指定した時間にならないと開くことが出来ない、というものだった


へぇ、面白い


昼時でお店が混んでいるのか、春陽はまだ帰ってこないから俺はそのメールを作成してみた


日付は

そうだなぁ、10年後の春陽の誕生日にしよう
時間はーー無難に午前0時でいっか

本文、は……


10年後の春陽が読むとなると妙な緊張感がある

その時自分が隣にいるのかっていう不安も、僅かにある


でもタイムカプセルみたいで少し楽しい

今は伝えられないような、正直な気持ちとか?
伝えられないような気持ちはないしなぁ

10年後の春陽に、伝えたいこと


どれぐらいかわからないけど、結構長い時間メールを打って送信ボタンを押したところで春陽が帰ってきた


「待たせてごめん、混んでてさ」
「ううん。ありがとう」


中身は有名チェーン店のハンバーガーと、ポテトとホットコーヒー


「何バーガー買ってきたの?」
「照り焼きチキンとえびアボカド」
「どっち?」
「んー……照り焼きかな」
「じゃあ俺えびアボカドね」

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