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薫子の先生な日常

第2章 Kとわたし

「川原が心配して私のところに来た。」

引っ張っていった第二図書室は、放課後だからいつも通り静かだ。

「…K?」

茶がかった瞳が揺れている。縁には涙がたまって、眉間にはしわが刻まれていた。

「先生は…何でこんなにオレの気持ちを乱すんですか。
オレのこと拒むわけじゃないし、監督と仲いいし、
あの短歌だって…

ネットで意味調べたら、居ても立ってもいられなくて。

あれは、誰の気持ちだと思って今、書いたんですか?
長井監督ですか?先生ですか?それとも…オレなんですか?」

肩を壁に押し付け、彼は強い目でたたみかける。

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