
片想いの行方
第26章 交差する想い
「………あ、あの………」
しばらく沈黙する2人に、ビクビクしながら声をかける。
「…あたしは、出ていった方が……」
「別にいーよ」
ヒメは蓮くんを見たまま続ける。
「聞かれて困ることなんてねーし。
…そうだよな? 蓮」
「……………」
蓮くんはヒメに視線を向けたまま、何も言わない。
「お前が話があるっつーから来てやったんだ。
早く用件言えよ」
…表情は変わらなくても、どことなくヒメの口調も攻撃的な感じがする。
2人が直接話すのを見るのは、あの夏祭りで偶然会って以来だった。
ドクン……
心臓の鼓動が急激に早くなっていく。
