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片想いの行方

第26章 交差する想い

すると





蓮くんがふいに、あたしに視線を向けた。




「………………?」




その表情は、さっきとは違って……




蓮くんは、一瞬悲しい顔をした。





………?



蓮くん………?






ドキドキしてその切ない目を見つめると、蓮くんはまたヒメの方に顔を戻した。




そして、静かに口を開く。





「……ヒメ……


お前、何がしたいんだよ。


これ以上、優香も……


香月の事も…… 振り回すんじゃねーよ」





「…………!!」




ドクっと心臓が鳴る。




い、今なんて言ったの………?




蓮くんの言葉に、思考が追いつかない。




……隣りをそっと見ると



ヒメはベンチに座って腕を組んだまま、蓮くんを下から真っ直ぐ見上げていた。

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