
片想いの行方
第33章 伝えたい想いを、あなたへ
「………………!」
蓮くん……………!
『6コース
○○高校2年 鈴木蓮』
蓮くんの名前がコールされると
会場から一段と大きな声援が飛んだ。
「蓮せんせー!!」
「頑張ってーー!!」
「絶対1位取ってねーー!!」
スクールのみんなが、もう椅子の上をぴょんぴょん跳ねながら、蓮くんに手を振り続ける。
「…美和ちゃん?見るの怖い?
大丈夫?」
陽菜ちゃんがあたしの手をぎゅっと握る。
「……うん。ありがとう。
大丈夫…!」
溢れそうになった涙を、ぐっと堪えた。
……蓮くん……
あたし、少しだけ、自惚れてもいいかな………?
ただ、応援することしかできないあたしでも
ほんの少しでも、蓮くんの役に立ったのかな……
もし本当にそうだったのなら……
こんなに幸せなことはないよ………
