
片想いの行方
第33章 伝えたい想いを、あなたへ
「…………蓮くん………」
あたしは体の震えが止まらない。
「………ゆ、夢なのかな……?」
「はは、何それ。
夢じゃないよ。
さっき優勝したのだって
………きっと、全て香月のお陰だ」
蓮くんは笑うと、ふわっとあたしを抱きしめた。
「……………!!」
「……香月。
俺の事を見てくれてありがとう。
お前の笑顔を見て、応援してくれる声を聞くだけで
…もう、たまらなくお前を抱きしめたくなる。
優香と別れたばかりで
あの男に言われて、やっと気付いた俺だけど
……あいつの分も、お前を大事にするから。
俺の
彼女になってください」
