
片想いの行方
第33章 伝えたい想いを、あなたへ
「……優香は、分かってくれたよ。
というより、もうとっくに気付かれてたんだ。
もう1人、俺の全てを知る奴も、全部お見通しだった。
………何も分かってなかったのは、俺自身だった」
ドキンと心臓が鳴る。
蓮くん………?
「殴られた事で、一瞬で目を覚ますなんて、ほんとダセーけど。
もう、考えなくても、迷わなくても
……見て見ぬふりをしていたけれど、やっと気付いたよ。
俺の心にいるのは、1人だけなんだ」
「……………っ」
「………香月。
俺もお前が好きだ。
多分、香月よりも俺の方がお前に惚れてる。
俺を図書室から見てくれてたのに気付いた時から
きっと俺は、香月に惹かれ始めてたんだ」
