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片想いの行方

第34章 真実の願い



俺には見せたことのない穏やかな笑顔で、美和は蓮を見つめていた。




……その頬には、涙が止めどなく流れていたけど。




蓮が美和の頬に手を触れて




愛しそうに微笑んだその顔を見て







もう、俺は




何も言うことはないと悟った。













「………良かったな、美和」










向かい風が吹いたタイミングで




俺は小さくそう呟いた。









………やっと俺の願いが叶ったんだ。













これでいいんだ。













…………これで、いい。

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