テキストサイズ

片想いの行方

第35章 いつかのお返し



蓮くんの拳が、ヒメの右頬に命中した。




「………!!


ヒ、ヒメ…………!!!」




クリスマスツリーのすぐ横に倒れたヒメに、あたしは思わず駆け寄った。




ヒメの唇から、血が滲みだす。




わわわっ……!!



ものすごい衝撃で、あたしは頭が真っ白になる。



ヒメはあたしの手を支えにして、ふらふらと体を起こした。





「……蓮……! てめぇいきなり何しやが……」



「いつかのお返しだ」






ヒメの前に立ち、右手をさすった蓮くんは、低い声で言い放った。






「お前があと1分遅く来てたら




……渡さなかった。




必死に走ってきて良かったな」





「……………!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ