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片想いの行方

第39章 片想いの行方



「………! 美和」





あたしの姿に気付いたヒメが、声を出す。




「…………!」




蓮くんも顔をあげた。






ドキドキして、心臓が破裂しそうだけど



深呼吸をして、2人の元へと足を進めた。




河原を吹き抜ける風が、優しくあたしの涙に触れて消える。






「……美和、泣いてたの?」





蓮くんは立ち上がると、あたしの頬にそっと手を触れた。



久しぶりの蓮くんの温もりに、胸がきゅうっと締めつけられる。





「やっぱり泣き虫だなー」



ヒメが笑うと、蓮くんはヒメを睨みつける。



「泣き虫はてめーだろ。

一緒にするな」





……2人のやりとりは相変わらずで



あたしは小さく笑った。

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