
片想いの行方
第42章 もうひとつの世界
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朝の5時。
目覚まし時計が鳴る前に、ゆっくりと目を開ける。
もうすぐ本格的な冬がやってくる、11月の半ば。
まだ薄暗い部屋の天井を見上げていると、一筋の滴が目から流れていった。
………いつものこと。
夢の中では、あの頃の眩しい光景が鮮明に浮かんでいるから。
その煌めく世界が今日も幕を閉じたことを、この涙が知らせてくれる。
1日の始まりは
私にとっては、終わりでもある。
「……早くしなきゃ……」
私は涙を拭くと、重い体を起こしてベッドから出た。
