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片想いの行方

第49章 償いの理由





私はヒメから目を逸らした。



「………思い出せないよ……」



口から出るのは、全て偽りの言葉。



本当は思い出せないんじゃない。


……忘れていない。


でも………



「思い出す必要もないし、もう過去のことでしょ?

もういい加減、からかうのやめて……」


「強情な女だな」




ヒメはそう言うと、私を抱きかかえたままソファを立ち上がった。



「………! ちょっ………」




唖然とする間に、ヒメはそのまま寝室に行き


ベッドの上に私を押し倒した。





「……………っ」




片手を私のすぐ横に置いて


上から覆いかぶさるように、じっと見下ろしてくる。



その後ろの天井には、無数の星が散りばめられていて



……あの流星群の日と同じ、17歳の自分の気持ちが蘇ってきていた。

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