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片想いの行方

第51章 制裁





「……えっ?……」



ヒメに言われるがまま、ポケットの中に手を入れると


右側に硬い何かが入っている。



取り出すと、その小さな機械に奈々さんの字が書かれてるメモが貼ってあって


右端のグリーンの光が点滅していた。




「よし。ちゃんと録音できてるみたいだな」


「……録音!?」




ヒメの言葉に、一条さんが反応する。



「まさか……ボイスレコーダー……!!」


「………!」





ぜ、全然気付かなかった……


でも、一体なぜ………




「は、ははは……
まったく何を勘違いしてるんだか」




一条さんが急に笑い出した。




「別に俺は美和に手を出していないし、脅迫なんてことも……」




その姿を見て、ヒメがため息をつく。




「何いきなりビビってんだよ。

こっちはまだ何も言ってないんだけど。

ほんとアホだな」




「な、なんだと!?」




ヒメは私の手からボイスレコーダーを取り上げると



再び一条さんの方に体を向けた。

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