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片想いの行方

第58章 忘れられない人

「……ごめん、美和」





蓮くんが目を閉じる。





「………俺は………


美和がヒメを好きでも


ヒメが美和を好きでも


自分の本当の想いを、抑えることができない」




「……………!」






蓮くんはもう一度ゆっくり目を開けると


再び私を見つめた。






「あの頃は譲ったし、俺自身納得したと思ったから。


他の女と付き合って、忘れようとしたんだ。


美和の幸せを心から願ってたし、今でもその気持ちは変わらないはずなのに。



………だめなんだよ、俺。



忘れる事ができない」








蓮くんの手が、私の手を包む。








「………好きなんだ。





美和。





別れた後も、ずっとお前が好きだった。






俺が愛してるのは、美和だけなんだよ」




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