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片想いの行方

第59章 弱さと痛み



▽Side... 美和



……………………………………………………




『……れ、蓮くん…… あの………』



『そこ、数式間違ってる。
xの値もう一度よく見てみな』



『……っ/// 
こんなに近くだと、頭に入らなくて数字が見えなくなっちゃうよ……』



『じゃあ俺を見て』






ドキッとしてノートから目を外し、隣りに振り向くと


蓮くんは私の右手からシャーペンを取って、ローテーブルの上に置いた。





『さっきから集中する相手、間違ってない?』


『で……でも、来週テストが……』


『補習になったらまた見てやるから』


『…………っ///』





肩に回されていた手に、ぐっと引き寄せられて


蓮くんの美しい顔が近付き、唇が重なる。





『……ん…っ/// 
お、お母さんは……?』


『女医って不規則なんだよ。
明日まで帰ってこない』


『……ふ……っ で、でも……』


『……美和』





キスの雨が止まり、ド至近距離で見つめられて。


同じ17才、しかも男子とは思えない、色気爆発の瞳。


……頭がくらくらする。




『……あのね、 そろそろ限界なわけ』



『……………!///』





私の襟元のリボンをシュルっと外して、蓮くんは微笑んだ。






『勉強に集中する美和も好きだけど。


俺の部屋で、俺の隣りで、彼女と2人きり。


こう見えて、全然余裕ないんだよね。




………美和が可愛くて、我慢できないんだよ』

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