テキストサイズ

片想いの行方

第69章 ☆甘い夜


▼Side... ヒメ



なんだ?

さっきから、この思春期カップルみたいな遣り取り。



いや、というより

俺だよ。

俺……さっきから、なんなの?



美和からのバレンタインのケーキを見てから、自分が挙動不審すぎて

無意味に皿を重ねながら、普段の冷静さが完全に消えた自分に戸惑っていた。



いつもなら

我慢なんてできねーし、そんなもん端からするつもりも無いから

自分の欲望のまま、即行押し倒すんだけど。




「………ヒメ………」




俺のすぐ横で、服の袖を引っ張って

美和がおずおずと口を開いた。




「……今の、もう終わり……?」


「……………!」




紅潮した頬に、潤んだ大きな瞳。

………だめだ。

全てが可愛い。



本当は離したくねーよ。

抱きしめるだけじゃなくて、今すぐその服全部脱がしたい。




だけど




“ 自分の欲望を押し付けるだけじゃなくて。

俺だったらもっと余裕をもって見守ってやるけどな ”

ストーリーメニュー

TOPTOPへ