
ふた恋
第9章 再び
「‥ねぇ友くん」
「ん?」
俺の服の裾を掴んで俯くひかり。
「‥‥ごめん、なさい‥」
「え?」
「‥わかってるんだけどっ‥でも本当に好き、なの‥」
俯いているけど泣いてるのなんてすぐわかった。
俺は無意識にひかりを抱き締めていた。
「‥友くんいないと‥もうだめなのっ‥っ‥」
俺がいけない。
俺があの時ちゃんとひかりを振っていたら‥
酔った勢いで抱かなければ‥
「‥ひかりの側にいてっ‥」
強く、強く抱き締めた。
この子は、ひかりは何も悪くない。
全部俺がいけない。
「‥ごめんな、ひかり」
「‥‥ね、えっちしよ?杏里先輩だけじゃなくて、ひかりも愛して…?」
結局俺はひかりを突き放せないんだ。
