
秘密の花園
第3章 周囲
案の定、緋月さんは、硬直している。
私も、この後どうすればいいのか分からなくて、困ってしまう。
「未弥お嬢様。どうなさいましたか?」
「....ッ!何がですか?」
「誰に煽られたんですか?」
...バレているのだろうか。
「私の意思です」
「それにしては、心の中で迷っているように伺えますが」
「ま、迷ってなど....」
「瞳は、正直に答えてくれますよ」
私を真っ直ぐ見つめ、訴えてくる。
ーー嘘はいけませんよ。
「もういいですっ。教室へ戻ります」
緋月さん横を通り、教室へ戻ろうとした瞬間。
緋月さんは、私の手首を掴んだ。
「え....?」
「お嬢様、ご存知ですか?この学園には、学年ごとに5部屋ずつ、ベットルームがあるのですよ」
それがなんだというのだ。
それは単に、休憩所なだけだろう。
.....と、入学する前の説明会では、そう思っていた.....が。
........ん?
「まだお分かりになりませんか?ベットルームなら、すぐに身体を重ねる事が出来るのですよ」
忘れていた...。
この学園は、そういう学園だって事を。
