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12cm~越えられない距離~

第3章 ヘンなヒト?~晶side

昼休み。

お弁当を食べ終わってまったりしてると、真央がやって来た。

「アキ~、今日って数Ⅱの教科書持ってる?」

「あ、うん。…忘れたの?」

「ごめん、貸して~!!」

顔の前で手を合わせて頼んでる真央に、仕方ないなぁなんてぼやきながら笑う。

「はい、どうぞ」

「ありがとう~!!助かった」

満面の笑みを浮かべる真央。こうゆう所が憎めないんだよな。

「あ、真央ちゃん。はろはろ~!!」

振り返ると、中谷くんと彼の友達(ごめん、名前忘れた)が教室に戻ってきた所だった。

「あ…榊くん。久しぶりだね」

真央が小さく手を振って応える。

「おーい、『さかきばら』だって!!いい加減覚えてよ」

「ん!?何か、『榊くん』って言いやすいんだよね」

真央の頭を小突こうとする榊原くんの手を、くすくす笑いながら避ける真央。

「繚平くん、助けて」

真央が中谷くんの後ろに回って盾にする。

「まぁまぁ。ノブちゃん、諦めろ」

中谷くんが両手を広げて榊原くんを諌めてるのを見て、何とも言えない気分になった。

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