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12cm~越えられない距離~

第3章 ヘンなヒト?~晶side

真央はいいな。

あんな風に男の子の背中に隠れるなんて真似がさまになる。

私が同じことをしたら…って、考えるまでもない事か。

似合わない、の一言。

それに中谷くんじゃ、私のほうが背が高くて隠れるなんて無理だし…

中谷くんの背中に隠れる自分を想像して、思わず笑ってしまう。

ギャグにしかならない。

「アキ~!!笑ってないで助けてよ~」

真央の声で現実に引き戻された。

「あ…仲良いよね」

思わず発してしまった言葉に、何故か真央は膨れっ面になり、榊原くんは

「え…普通、だよな?」

と中谷くんに同意を求めた。

「知らん。俺、普通ってよく分からんし」

「繚~!!」

そんな事をしてると、昼休みの終わりを告げるチャイムがなった。

「あ、行かなきゃ!!アキ、ありがとう」

「あぁ、返すの、部活の時でいいから」

「ありがとう。じゃあね」

真央がバタバタと走り去ると、榊原くんが

「俺、トイレ行ってくる」

と急いで教室を出ていった。

「トイレ!?…あぁ~、そうですか」

中谷くんは苦笑いを浮かべて席に座った。



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