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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第6章  副会長の苦悩

  「もしもし」
 笹木が電話に出た。

「会長!どこに居るんですか!」
 手毬は怒りを抑えれず叫ぶ。

  「校門だけど…」
 電話の向こうでシレッとした声で返してくる。

「また、ふらちな行動をしたんでしょ!」
 手毬の怒りで肩が触れはじめる。

  「ふらちって…」
 言い訳を考えているような、どもりながら言う笹木。



「あ、手毬…」
 携帯を耳に付けた固まる笹木。


 ホールに入るための階段の上で手毬は待っていた。


(やっぱりこの道を通ると思いました)


「……あれは誤解をうむので『しないように』といつも言っているのに…」
 携帯片手に仁王立ちしている手毬が文句を言う。



「あれ?ってこれの事?」
 笹木はスッと手毬に近づいて、チュっと音を立てて手毬の頬にキスをした。

「!!」
 手毬は、青い顔して後ずさりする。

(こいつやっぱバカだ。こんな昼間から!公衆の面前で!バカ!無自覚ならタチが悪い!)



「高校生がキスくらいで動揺しすぎ!」
 ふふと笑う笹木。


「あなたって人は…(怒)」
 これでもかとばかりに手でゴシゴシと頬を擦る手毬の額には怒りマークが出ている。

「外国では、頬にキスは性別関係なく子供だってするよ」

「ココは日本です!いったい何考えて…」
 手毬は、ギャンギャン抗議する。

「聞こえません!わぁーわわわぁぁ」
 笹木は耳を両手で押さえて、パタパタする。

「はーもー…全く…」
 手毬は諦めてため息をする。

「とにかく、笹木は会長なんだから、さっさと会場に入れ!!」
 笹木の背中を押しながら言う手鞠。
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