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不器用なくちびる

第13章 親友

「大体さぁ…レイプ被害って言っても
同意の上ってことも多いんじゃない?
誘惑したくせに被害者ぶったりとかさ…

葉子先輩だって
よくカミングアウトしたなと思うよ。
中学の時、遊んでました〜って
言ってるようなものじゃない?

あ、このことは未来のお姉様には
内緒にしてネ。
じゃあまた来週にでもお茶しよ〜ね♪」


かわいく笑いながら瑞希ちゃんは
去って行った。

ひどい…
そういうのが、橘くんが配ってた冊子に
も載ってた二次被害っていうんだよ。
周りの理解の無さがさらに被害者を
傷付けるんだよ。

葉子先輩が、橘くんが、私が、
一生懸命伝えてきたこと…

そんなひどいこと
頼まれなくても葉子先輩には言えない…
あぁ、ほんとにおなか痛くなりそう。

でもこれから先、イベントとかで
瑞希ちゃんと会わなくて済むのは
うれしいな…

たまにでも、2人が一緒にいる姿、
見たくないから…

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