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不器用なくちびる

第13章 親友

私たちは、おいしいランチを食べながら
離れていた時間を埋めるかのように
話し続けた。

意識してかどうか、
中学の時の話は全くしなくて。
離れていた間どうしていたのか
という楽しい話ばかり。

そして…
瑞希ちゃんの名前も出なかった。

私は灯台の石のことを確かめて
みたかったけど…

春菜ちゃんが言ってたみたいに
前はもしかして私のことを
想ってくれてたのかもしれないけど
今は瑞希ちゃんのことが好き…って

そのことを確かめることになりそうで
怖くて切り出せずにいた。


「香山さ…島には行ったの?」


「あ、うん…」


「石、見た?
俺、ずっと盆休みに行ってたんだけど
去年は予備校の合宿で行けなくて。」


「見た、よ…」


「俺…あそこに行けば、なんだか
香山に少し近づいたような気がして…
ずっと、すげ〜会いたくて…」

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