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不器用なくちびる

第14章 背徳

なんかおかしい…
私そんな話知らないもの。

でも、そういう過去の被害っていうのは
証明したりするものじゃないし、
それを疑うのは絶対しては
いけないことなんだ。

もしかしたらほんとかもしれないし…

それでも、私の中に
瑞希ちゃんに対しての違和感が
少し芽生え始めていた。

……………………
……………………

夏が訪れても、
橘くんと私は週に一度
秘密のカフェでかけがえのない
時間を過ごしていた。

2人は学校のこと、将来のこと、
音楽のこと…いろんな話をして
話は尽きなかった。

特に音楽は、クラシックだけじゃなく
同じイギリス出身のアーティストに
お互いハマってるとわかって、
その話に夢中になった。
なんと私たちは好きな曲も一緒だった。


「歌詞が素敵だよね!
でもこんな80年代の曲…なんで?
私は美紀おばさんの影響だけど。」

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