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不器用なくちびる

第14章 背徳

いつも橘くんは優しくて。

度重なる甘い言葉に
私の気持ちは膨らむ一方だった。

そんな時…

瑞希ちゃんが2日続けて全く
同じ服を着ていたことがあった。

たまたまかもしれない。
でも、橘くんと瑞希ちゃんが
付き合って約2ヶ月…
そういう関係になってもおかしくない。

私は急に現実に引き戻された気がした。
私と毎週会ってるのに
そんなこと全然感じなかった…

橘くんどういうつもりなんだろう…

っていうか初めから親友って
言われてるのに、
変に期待して私ってほんとにバカ。

でも甘い言葉や、あの曲…
好きなんだもん。
期待しちゃうよ…

このままじゃだめだよね。
週末、ちゃんと訊いてみなくちゃ…
もう会わないように
しないといけない。

私はそう思い始めていた。

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