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不器用なくちびる

第15章 決断

香山にドタキャンされた日の
翌日は、久しぶりに瑞希と会う
約束をしていた。

俺はバイトが忙しくなり、
もちろん大学と司法試験の勉強も
あるから嘘じゃなく忙しく、
それまでもあまり瑞希とは
会ってやれていなかった。

でも…香山と毎週土曜にランチする
時間だけは確保してたんだから…
ただの言い訳だよな。

瑞希は友達が少ないって言ってたし、
ずっと1人で寂しかっただろうな…

その上、今日久しぶりに会う俺は
別れ話をするつもりでいる。
既に心は決まっていたのに
結論を先延ばしにした俺は
最低の男だ…

昼過ぎに俺たちは会い、
瑞希が予約してあった映画を観た。
映画はラブストーリーだったけど
かなりきわどいベッドシーンがあって…
香山の顔がチラついてしまう俺は
瑞希の隣で
いたたまれない気持ちになっていた。

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