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殺人鬼の棲む島

第19章 3日目 午前 黒鵜岬

鵜たちの騒ぐ声がいつもより激しい。
その異変に気付いた一同は黒鵜岬にやって来て惨劇を確認した。

崖の上から覗き混む人間たちなど意に介した様子もなく、鵜たちは食事を楽しんでいた。

「嫌アァぁあっ!!」

みじろっぷが見下ろした瞬間に鵜の嘴がずるっとTOMの眼球をほじくり出したのは間が悪かったとしか言いようがない。

「こんなのっ……酷いっ……酷いよっ!!」

綴恋愛は泣き崩れる。

「まあ待つんじゃ。TOMさんは誤って落ちたのかも知れん……」

「それはないな」

遥風がすぐに否定する。

「血塗れのナイフがそこに落ちてた。多分これで刺されて、それから突き落とされたんだろうね」



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