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殺人鬼の棲む島

第3章 一日目 朝

漁港の向こうから京茶屋が最後の一人を連れて歩いてくる。

遅れて悪いと思ったのか、その人物はドタドタと下手くそな走り方で駆けてくる。

「そんなに慌てんでも船はまだ出んよー!!」

京茶屋がそう叫ぶがその人物は走るのをやめない。

近付いて来た人物を見て、夏野ソラは思わず目を見開いた。

「すいませーん!! 遅くなりましたぁー!!」

その人物はチューリップ帽を被って着流しの和服みたいなものを着ていたからだ。

その格好はまるで映画やドラマで観る金田一耕介そっくりだった。

「はぁはぁはぁ……ごめんなさいっ……私、はぁはぁ遥風と申します……」

「しかも女かよ!?」

堪らず夏野ソラは声をあげて突っ込んでしまった。

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